こんにちは。
紅葉も段々と終わりを告げ、木々が寂しさを纏い始めた12月。
こたつが恋しくてたまらない季節がやってきましたね。
九州は博多出身の私は、二度目の京都の冬に慣れること無くびくびくした毎日を過ごしています。
(サンタさん、こたつと雪見だいふくが欲しいです。)
というのは置いておいて、先日2回生は
御影石の合評が行われました。
課題は“
たまご”。
たまごから生まれてくるもの、生命力、生きていることを感じるかたち、といったテーマです。
石彫の授業は非常勤講師の竹股先生の担当になり、
ノミ、セットウ、石の表面を整えるビシャンという道具を使います。
さらにビシャンをかけたあとにヤスリをかけることで、自分の好みの仕上げをすることができます。
今回二回生は自分のセットウを手作りし、使用しました。
そうすることで自分の手にフィットするものを使うことができ、
尚かつ愛着がわきます。
一回生のときに大理石の授業があるので二度目の石彫、今回は御影石です。
よく墓石などに使われている石で、大理石に比べかなり固いものになります。
代々受け継がれているフレーズは「
大理石が豆腐に見えるくらい、固い。」
この御影石、今回は黒、白、ピンクの三色を使用しました。
黒御影は磨くことで色が濃くなりますが白御影は若干灰色になるので、
白さを大切にしたければ磨かずにノミで表面を潰していくほうがいいなど、
それぞれ仕上がりに大きな違いが出ます。
それでは合評の方を覗いてみましょう。
左:竹股先生 右:たまちゃん
ひとりづつ自分の彫った石について、何を考えながら彫ったのか、
どこをどうしたかったのか、話していきます。
たまちゃんは二回生イチの石好き。
進級制作でも石彫をする予定だそうです。
どんな石を彫り上げるのか楽しみです。
ちなみに今回の作品はこちら。
untitled
四つのたまごが集合したかたち、を彫ったもの。
黒御影は磨くことで強い艶と色とを放ちます。
右上の黒い部分が磨いたところ、若干白っぽく斑になっているところが磨いていない部分です。
こちら先生の意見を聞く村上くん。
石彫を専門に行っている竹股先生は、とても楽しそうに石のことを語ります。
学生同士、お互いの作品について意見を言い合う場面。
なんだか楽しそう。
何を感じていたのか、狙い通りにつくることができたのか、自分からはこう見えるけれど本当はどうだったのか、主観的になってしまう自分自身の考えと、客観的な皆の意見を交わすことのできる大事な時間です。
「触ってほしい」という考えを持って作られた作品。
磨かれた半円状の凹凸と、磨かれていない土台の部分ではまったく違う感触をもっています。
こちらでも作品をなでなで。
しかしこの作品は先程のものとは違い、全面を磨き上げたもの。
磨きのかかっているほんのちょっとの度合いによってもさわり心地は異なります。
完成作品をほんのちょっとご紹介。
title:せいめいの流出
THE、たまごフォルム。
この作品を彫った細見くんはとても器用で、いつも丁寧な仕事をしています。
ぴかぴかに磨き上げられた黒御影の表面に沢山走っている矢印は、力のかかる方向などを表しているそう。
大理石で台座まで作られている手の込んだ一品です。
untitled
ピンク色の御影石で彫られた球体の繋がった作品。
こちらは磨かれておらず、ノミやビシャンの跡を残した仕上げ方です。
繋がるかたち、寄り添うかたち、というイメージ。
この作品を彫っている最中、先生や友だちなどまわりの人々に応援され、支えられていることを実感した。
と話してくれました。
なんだかもごもごとしていて動き出しそう。
「このかたち難しい!」と言いながら、授業外の時間も熱心に彫っていた姿が印象的でした。
title:きみをみあげていたいだけ。
ただそれだけなんだ。
白御影、ビシャン仕上げの作品。
体操座りをして見上げている姿、に見えたなら、作者の意図も届くでしょうか。
固い固いと脅されてきた御影石でしたが、思っていたほどの苦痛ではなく。
大理石に比べサイズが小さくなったこともあり、より手の込んだ仕上げをすることができてやりがいのある素材であったのではないでしょうか。
今回の石彫をもって、素材による課題は終了しました。
二回生の今の課題は“
進級制作”。
これまでの経験を生かし、自分の表現したいものを素材の制限なく制作することになります。
イノウエ ジュリ
Omake*SHOT
約一ヶ月前の石切り場(石彫を行うスペース)。
木野祭にて、我らが二回生の店舗が建っていました。
もちろん全ていちから手作り。
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