立体造形コース、今日は少しソワソワしています。
↑教室では、西先生が床でゴンゴン・・・・?
↑何かが始まるようです。
↑そう!!今日は鋳造工程のクライマックス、
金属を溶かして型に流し込む日です。
さっきの「ゴンゴン・・」は、
西先生愛用のアームカバーにこびり付いた石膏を割る音。
↑作業は皆で協力して行います。
迅速に・・・金属を溶かす炉に火を入れてから、金属が適正温度に達するまでの間に
準備を進めます。
型に流し込む時も、金属が固まらないうちにすばやく注ぎ込むことが必要。
安全に・・・金属は何千℃にも達し、足場も悪いため非常に危険を伴う作業。
場は緊張感に包まれています。
正確に・・・型に土やホコリが入らないように注意しながら、慎重に流し込みます。
型が倒れたり、ひとつでも工程を忘れると、せっかくの型が台無しに。
↑西先生・・・ウォッカを飲んでるわけではありません。
流し込むための容器に塗る黒煙を、ウォッカで溶いているんです。
↑火の熱さに加えて今日は猛暑日。 ↑足元には・・
大きな扇風機。 作者とその作品に必要な金属の数量が記入された大事なメモ。
↑流し込む金属は、砲金と呼ばれるこのような部品たちを溶かします。
クズ屋で仕入れてくる砲金は、1㎏550円程度。
中には、水道蛇口のバルブなどが入っていたりします。
90%が銅、あとは亜鉛、鉛を調合。
↑型の中のゴミを吹き飛ばします。
↑「おまえは 3 な。」 ↑「で、おまえは 3.5 だな。」
??なんの数字の指示??
流し込む金属の温度の目安の数字だそうです。
3 を基準に考えて、3.5だとちょっと熱め。
だということですが、3.2 という指示になるとその微妙な温度の差は西先生の長年の勘に頼ります。
↑水分補給も、まるでボクサーのようにWILD。
↓いよいよ、流し込みます!!
↓炉から金属を容器に移し替えます。
↓1回生も興味しんしん。集まってきました。
↓煙が立ち込めます。
↓「いくぞー」「ちゃんと持てよー」「腰ひけてるぞー」
↓西先生の声が響きます。
↓自分の作品は、自分で流し込みます。
↓「緊張する~」
↓留学生のハンナも挑戦。
↓恐々・・腰がひけてます。
↓「ああ~、こぼれる~」
↓西先生が手伝います。
↓金属はすぐ固まるので
↓型を取り出して、早速割り出しにかかります。
↓「あ~~~疲れた~~~ビール飲みてぇ!」
汗だくになったこの日。
夕方、気持ちよく疲れた笑顔が多く見られました。
学生から見た西雅秋先生は、
「重機を扱う姿がかっこいい。」
「相談した時、すごく真剣に返してくれる。」
「作品について相談すると、自分のことのように考えてくれる。
昨日考えたんだけどよ・・と一晩考えてくれる時も。」
「やさしい。」
と、とても愛されているようです。
「西先生」と呼ぶと「先生じゃねーよ。」
「西さん」と呼ぶと「なんだよ。」
という、なんだか面白い奇妙なやりとりが魅力です。
明日から学校は夏休み。
上賀茂アートプロジェクトに向けてまだまだ忙しい日々ですが
がんばっていきましょう!
ツジタ
7月29日~8月8日上賀茂神社とその周辺地域で開催される
上賀茂アートプロジェクト まであと2週間に迫ってきました。
約100名(!)が出品するこのプロジェクト。
教室では、徐々に作品たちがカタチを現してきました。
27日の搬入に向けて、コース内はますます熱気に包まれてきています!
鉄部屋の前では・・
←いよいよ立ちあがってきた藤の枝。
これから花がつけられていくというこの作品、
完成した姿はぜひ上賀茂神社で!
←その後ろには大きな翼のドラゴンが。
木部屋では・・・
←仰向けの動物が手足を伸ばして。
←これはつい顔をハメたくなってしまうアレかな・・
以前ブログに書いた
宮永愛子先生授業の「今日までMAP・今日からMAP」
合評会がありました。
「今日からMAP」とは・・
みんなで行った清水寺と、今の私、今までの私、これからの私、をつないで作品を作ります。
各自が撮影してきた10枚の写真を素材として使用。
まず1人目の作品は ↓ ↓ ↓
銀色のおかき?缶に土が詰まってる・・
土をかきわけると出てきたのは小さな写真がいっぱい貼りつけられた石!
タイムカプセルを掘り起こすような、独自のパフォーマンスに
初めからワクワクの合評スタートです。
↓視線の先には
↓山口県の形をした写真コラージュ。
↓あ、ぼこぼこしてるー。
↓出身地である山深い山口県の山々の凹凸も再現。
↓絵巻物風。
↓色えんぴつで丁寧に描きます。
↓以前のブログで
↓描いていた細かい図形が、
↓こんなアーチ状になりました。
↓今自分が住む京都と、生まれ育った名古屋が
↓同じ空でつながるカタチ、だそう。
↓壁にかけた作品。
↓タイトルは、う~ん・・装飾が好き!
↓細部は
↓自分で着色した糸で写真を縫い合わせています。
↓後ろの碁盤の目模様は、京都を意識しました。
↓卓上に広げた写真・・
↓・・の上に乗ったカエル1匹。
?なんで?
実際自分の目で見た清水寺は想像していたものとは違っていて
離れて見た方が、清水寺らしさを感じた、といいます。
だからカエルは「井の中の蛙」のカエル。
↓清水寺に行った日、
↓家に帰ったらテレビが点けっぱなしだった!という作品。
↓清水寺だけでなく、家までつながったその日のMAP。
↓お湯を調達しに売店へ走って・・
↓3分待ってできたのは
↓写真の麺!!!
↓「過去の写真を麺にして、今お湯を入れたら現在になるんじゃないか」
↓という作品。
色が染みだして青い~・・
↓家から清水寺まで歩数計をつけて歩いたという
↓歩数MAP。総数68163歩。
↓「過去から現在へつづくトンネルのような・・」
↓「影ができるから立体物が好き」だというように、様々な陰影ができています。
↓階段での設置。
↓気になった書体デザインの看板が並びます。
↓手前は今話題の「修悦体」を倣って制作した自作看板。
「修悦体」?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%BF%AE%E6%82%A6
最後はなんと宮永愛子先生の作品!
この日、フランスから帰国後直行して大学に。
フランスで展示していたという作品で、
2つほど手持ちで持ち帰ったものを見せていただきました。
「みんなが作品作っていた時、私も作ってました。」
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
ナフタリンでできた時計。
独特の匂いが教室に充満します。
この時計は、今は廃刊になったART ITという雑誌の表紙にもなったそうです。
フランス人は人を褒めるとき
「嫌いじゃない」
という言い方をするのだという話を聞きながら、
最後はみんなでおみやげの美味しいお菓子フィナンシェを食べました。
「自分はなにに興味があるのか?
そこからなにか始まる。
そういう始まりがいっぱいこぼれているから
それを拾えばなにかが生まれる。」
1人1人の興味の先が見えはじめた合評会でした。
愛子先生ありがとうございました!
再び秋にある授業を楽しみに待ってます。
ツジタ