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立体造形ブログ

京都精華大学立体造形研究室のブログです。

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2回生、木彫の合評がありました。

お久しぶりです。2回生のイノウエです。
今回は、17日に行われた木彫の合評を覗いてみてもらいたいと思います。

木彫は2回生にとって、鉄に続く2つめの課題です。
今までの粘土、鉄、石などの素材とは違い、1回生で基礎の授業はありません。
現2回生も木を彫るのはこれが初めて、という人がほとんどのようでした。

また木彫に使うノミですが、
授業の始めにはノミ屋さんが木彫用ノミの実物を持ってきて下さるので、
自分が必要だと思うノミを本物を触りながら選んで購入することができます。

因みにこれらのノミは市販とは違い、ひとつひとつが職人さんの手作りです。
(木槌とノミを入れる袋も一緒に買えます。)

写真ではちょっと分かりづらいでしょうか?
木彫はのうえで行います。なかなかに居心地がいいです。


そして
今までは野菜や果物をモチーフに作られていたのですが、
今回は鉄と同様、テーマが新しくなりました。
新しいテーマは「具象」。
この広いながらも重量のある言葉に、多くのひとが頭を悩ませていたようです。

具象 : [名](スル)
     1 はっきりした姿・形を備えていること。具体。「―画」
     2 わかりやすく、はっきりと示すこと。
      [対]抽象                           (Yahoo辞書)


具象とは何を指すのか、どこまでが具象で、どこからが抽象なのか。
自分にとっての具象とは何なのか。
一見単純なこの言葉から何をつくりだそうか、自分の身の回りにある“具象”を模索して向き合う姿が印象に残っていますが、自分の好きなものや興味のあるものをつくる!と早くにモチーフが決まった子もいました。


さて、合評ですが今回はランダムに名前が呼ばれ、ひとりずつ作品を見せていく、という形がとられました。
(合評の仕方はその度に変わります。)

3週間ほどお世話になった、木彫の部屋にて。
写真に載っている作品は、作者(左端の緑色のツナギを着てるひとです。)のペットの亀ちゃんがモデルです。
因みに名前はディーちゃん、メスです。
一番右端が吉野先生。(同時に作品の撮影も行われました。)



木を彫った感想や、何故そのモチーフを選んだのかを発表します。
先生だけでなく学生同士、疑問に思ったことや聞きたいことなどもどんどん質問していきますよ。

因みに、
ひとりひとりさくっと終わった今回の合評で一段と注目されたのがこの瞬間。
皆が一斉に作品のまわりに集まりました。



人込みの向こう側に置かれた作品は・・・こちら!
ノミの彫り跡を残したまま、絵の具で着彩。
さらに岩絵の具を上からふりかけて水を垂らし、パンの表面に残る粉まで表現した作品です。
本物により近づけ、リアルを追求することで人の目を集めようと思ってつくったというこの作品、
作者の意図したことがうまく実現したことが上の写真からわかると思います。
(見ているとパンが食べたくなります。)



ノミで彫りだした後に紙やすりで磨き、オイルを塗って仕上げた作品。
表面がなめらかでてかてかしています。
お魚の顔を正面から見ることができるこのアングルが個人的に一押しな一品です。



こちらでは合評の合間になにやら楽しそう。

「握手して!」
自ら手フェチだと語る彼女は、「理想の手」を作品に。
沢山のひとと握手してました。




ひとりひとりの話に耳を傾けていく中、こんな光景も見受けられました。

こちらまさかの椅子という使い方。
手前が自分の「耳」、奥が「芽が出たジャガイモ」です。
お尻にフィットするらしいです。




これは内ポケットもがまぐちになっている「がまぐちポーチ」。
写真では少し分かりづらいですが、布の部分はノミで彫った跡をそのままに、
金具の部分は紙やすりで磨いてつるつるに。



他にも油絵の具を使っての着彩や、表面をわざと傷つけてがさがさにする方法など、様々な表現方法が見られました。

ひとえに木彫と言っても、様々な表情を出すことができる。
逆にどんな手を加えても、それはその木以外の何物にもなり得ない。
例えどれだけの色を上から重ねても、その一枚を剥がせばまた元の木目を覗かせる。
他の素材にも言えるけれど、より長い時間をかけて手を加えればよりいいものを作ることができる。
今ここでやめても、すぐにまた彫り出すことができる。
特殊な道具を必要としないからこそ、多くの時間を費やすことができる。
より多くの時間を共有することができる。

と語るのは、合評の最後でまとめとして話をされた吉野先生。



初めて握った木彫用ノミと木槌。
とは言え、自分の彫りだそうとするものさえ頭の中にイメージできればあとは単純な作業。
ただひたすらにそれを彫りだすだけ。
木の中に眠っているそれを、空気に触れる姿に、目に見える姿に現していくだけ。
何だか少し、遺跡や財宝の発掘に似ているような気がして、楽しかったです。



2回生、木彫の次の課題は「トルソ」。
昨日からモデルさんに来ていただき、すでに制作が始まっています。

その様子はまた後日。


それでは
長々となりましたがお付き合い有難う御座いました。


では今回のオマケSHOT









発表中の表情を撮ろうとしたら左から黄緑色の影が。
二人そろってカメラ目線でピース!
教授と学生が仲良しなのも立体造形の魅力です。


                                                イノウエ
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